フォロ・ブログ
フリースクール・フォロの活動のようすを、できるかぎりマメに更新していきます。
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この3月で、私はフリースクールのスタッフを退き、フォロには法人の代表理事として、これからも関わっていくことにしました。この法人も今秋で設立満10年。自分にもひとつの節目をつくろうと思っています。
実は、私は今回のこの決断に1年以上悩みました。次々とこの場に持ち込まれるキツさやしんどさから本気で逃げたいとも考えていました。悶々として自分のいたらなさを責めたり、「代表職の立場も、資金繰りのことも、ポンと放り出してしまえたら……」と念じてみたり(苦笑)。
でも、「それはちがう」と、ようやっと思い直せたのは、フォロがぶつかっているしんどい状況を、役員やスタッフ間で何カ月もかけて充分に共有し、また一方で、この状況は各地で別の居場所などをやっている人たちとも考え合っていく課題なのだと気づいたことが大きいです。
いま、私たちが向き合うべきは、学校に行く・行かないといった目に見えることだけではなく、じわじわと表面化しつつあるこの社会の根深い「問題」です。こういったことに、似たような思いで奮闘している人たちや場があり、今のこのキツさやしんどさは、フォロ固有のできごとや私個人の資質のレベルの問題ではない、ということが、これからのフォロの進む方向をも示してくれていると思いました。
私たちは、たぶん、とっても少数派です。そうであってもそれを卑下することなく、なんとか自分たちの力で悪戦苦闘し続けているからこそ、そこに信頼をおいてくれる子どもたちや若い人が関係を大事に紡いでくれ、豊かな価値観をも生みだしていくのでしょう。
そんななかで、今回、自分は別のかたちでフォロにつながっていこうと決めました。今の世の中、私たちおとなの世代もあらゆる場面で、人として大切にされず、ひいては自分を大切にしにくい社会になっています。多くの人が「こんな流れって絶対ヘン!」と強く感じているのに、一方で、子どもに対しては「学び」や「体験」、「いのちの大切さ」などと上滑りなことを言ってみても、「それどころじゃないよ、まずは生きさせて!」と返ってくるのは、自然なことです。だからフォロではあえて、おたがいをゆるめあう関係を大事にし、個々のいのちの力を信頼することを前提にこの場をやってきたし、今後はもっとそれが必要になるでしょう。
今まで子どものみんなと一緒にすごさせてもらったたくさんの時間は、いろんなことをすべてひっくるめて、私にはかけがえのないものです。そのなかで、これまでに傷つけてしまった人や対話がないまま関係が途絶えている人たちのことも、ずっと胸にあります。これからも心の中でお詫びをし続けるしかないこともあり、そのことを思うと、ほんとうに言葉が見つからず、苦しいです。
けれど、これからも私なりにフォロに関わり、考え続け、思いを込めて生きていこうと思います。10年間ずっと変わらず運営がキツいのは、目に見える形での評価に結びつきにくいことをやり続けている場の持つ宿命なんだと、腹をくくることにしました。
最後に、このささやかな場につながろうと思ってくださるみなさん、これからも堂々とやっていきましょう。一方で、いろんな意味で矛盾を背負っている場なので、さらなる苦労もきっと多いことと思います。そのときになってみたら、やっぱりまた右往左往するだろうことも含めて、どうぞ、その苦労も含めたいろんな経験を、できる範囲で分け合ってください。一人ひとりの思いを持ち寄って、やっと今日まで続けてこれたフォロです。少しでも資金面などの綱渡り状態から脱出できたら……という、とってもまっとうな希望もちょっと心の片隅に置きながら……これからも、よろしくお願いします。
News Letter#26/2011.02.15より
このたび、花井さんがNPO法人フォロの代表理事業務に専念するにあたり、私がフリースクール・フォロの「主任スタッフ」という位置に就かせていただきますことになりました。花井さんの、これまでのフリースクール・フォロの代表としての業務を引き継ぐものです。
今さらですが、改めて少し自己紹介させていただきますと、フリースクール・フォロに初めて関わらせていただいたのは2007年の2月、ボランティアとしてでした。半年後にスタッフに採用していただき、現在に至ります。フォロに関わる以前は7年間、介護福祉に携わりました。それ以前はフリーター……以上が簡単な私の経歴です。
フォロに関わるようになったきっかけは、一身上の都合で前の職場を退職し、白紙にもどってあらためて自分と向き合ったとき、20代のころ、『つらい思いをしている子どもたちの役に立ちたい』と思っていたことを思い出したからです。しかし、そうした活動で生活していくのは非常に難しく、当時はあきらめたのでした。
社会のゆがみがもたらす学校のゆがみ。それは私の世代(アラフォー)が子どものころに現れ始め、現在にいたるまで悪化の一途をたどっています。場合によっては『惨状』と言っていいほどの状況を子どもたちにもたらしています。そうした状況に対し、私も子どものころは大人を責めていました。しかし今や、私自身がそうした状況に責任を負うべき大人世代の中心の年齢になりました。
私はこれまでも、フリースクールのメンバーやさまざまな方々に支えられてきました。本当にありがとうございました。新年度からは主任スタッフとして、新たな気持ちで責任を果たしていきたいと考えています。私がいたらないところは、どうかお教えいただきますよう、メンバーのみんなを始めみなさまに、この場をお借りしてお願い申しあげます。
News Letter#26/2011.02.15より